こんにちは、久家です。
ここ数回に渡って
日本人の睡眠の現状と
睡眠不足が体に及ぼす影響について
具体的にお伝えしてきました。
少しでも
睡眠に対する意識は変わったでしょうか。
今回は、睡眠というものを
根本的に考えていきたいと思います。
脳をメンテナンスする
「そもそも睡眠って
何のために必要なんですか?」
この質問に
あなたは答えられますか?
睡眠は以下の3つのために
必要とされています。
【①内臓、脳を休める】
少なくとも睡眠中は何も食べないので
内臓を休ませることができます。
これは脳も同じです。
睡眠中に何か考えたりはしないので
脳を休ませることができるのです。
【②脳のデトックス】
脳は他の臓器と違って
常時老廃物をデトックスできません。
デトックスできるのは…
睡眠中だけ。
寝ている時に脳は少し縮んで、
その時にできる空間を使って
老廃物を流します。
目覚めると
脳は元の大きさに戻るので
この空間を使って老廃物を流せなくなります。
睡眠不足が慢性化している人は
老廃物が蓄積してアルツハイマーになる
とも言われています。
脳もデトックスが必要で
そのために必要なのが睡眠なのです。
【③情報の適切な処理】
「覚醒時に受ける様々な刺激(情報)を
睡眠によって整理し統合している」
と以前の投稿でお伝えしました。
「睡眠中に記憶が定着する」なんて
言われたりもします。
それ以外にも
睡眠中に脳の活動が調整されています。
以上の3つは
連動しているとも言えますが
どれも脳に関わるもの。
睡眠は脳をメンテナンスするために必要なものなのです。
脳のメンテナンスが必要なワケ
現代社会は人間の脳に
相当なオーバーワークを課します。
僕が子供の頃はもちろん
パソコンやスマホは普及しておらず
インターネットなどは無縁の生活でした。
現在44歳ですが
現在のネット社会に適応していくのは
かなり大変です。。
得意不得意はあると思いますが
50代、60代、70代…と
年代が上の方たちは
さらに大変だと思います。
僕ら人間は
この数十年の進化に適応するのでさえ
相当なエネルギーを使うわけです。
昔の武将や偉人、
もっとさかのぼれば
遥か昔の狩猟採集民族が
現代にタイムスリップしたら…
そんな映画や漫画がありますが、
もし現実に起こったら
それこそ生きていくのは
今僕らが感じている大変さとは
次元が違うと思います。
しかし、
この次元の違う大変さを
現代で感じているものがあるんです。
それが…
人間の脳です。
【脳は1万年変化していない】
と言われていて、生物学的に見れば、
私たちの脳は
まだサバンナで暮らしているようなもの。
私たちの脳は今でも
1万年前の生活様式に最適化されているのです。
そんな脳が
急速に発展する
現代社会に適応しようとすれば、
当然毎日がフル回転…
相当なオーバーワークになることは
容易に想像がつきますよね。
そして
脳がオーバーワークになると…
体の不調が出てきます。
脳って神経の塊です。
中枢神経として脳と脊髄があり
そこから
末梢神経が体中に張り巡らされています。
前回お伝えした交感神経系をはじめ、
「神経系がいろんな病気を制御している」
というのが
最近の研究で言われていることです。
なので
神経系の大元とも言える
脳がおかしくなれば
体のどこかがおかしくなるわけです。
「体のメンテナンスが大事だ」
というのは
いろんな文脈で
言われるようになりましたが
脳を休めることができなければ、本当の意味で体はメンテナンスされていないのです。
しっかりと睡眠をとって
毎日オーバーワークを強いられている脳を
メンテナンスしていきましょう!
脳はなかなか休まらない
睡眠は
「脳をメンテナンスするために必要なもの」
とお伝えしましたが、
「脳を休める」には
ただ寝るだけでは不十分…
睡眠でも休むことにはなりますが、
それだけでは足らないんです。
例えば、1日の中で
ボーッとしている時間があるとします。
一見何にも考えていないような時間。
海を見ながら…
空を見ながら…
音楽を聴きながら…
ボーッとしている
そんな時でも脳って
8割くらいは働いているんです。
だから、
ボーッとしてても
脳は全然休めてないんです。
「いい景色をみてリラックスしました」
っていうのは気分の問題で
脳はそこまで休んでいないんですね。
試しにタイマーを5分にセットして
その間、目を閉じて
ただ一つのことを考え続けてみてください。
そしてタイマーがなった時、
「何を考えているか」を確認してみましょう。
まずほとんどの人が、
始めた時とは違うことを考えているはずです。
これを3分、2分、1分と時間を減らしても…
おそらく同じです。
心理学の一説では、
人は1日に「7万個」もの想念を思い浮かべる
と言われています。
約1.2秒に1個です。
それくらい目まぐるしく
脳は働き続けているということです。
そんな脳を休ませようと思ったら
睡眠だけは足らない…
積極的に休ませる必要があるんです。
脳を積極的に休ませる方法
現在分かっている範囲では
脳が一番効率よく休む状態は…
「瞑想状態」
この状態を1日10分作るといい
と言われています。
「瞑想」の方法に関しては
検索すればたくさん出てきます。
自分に合ったものを選んで
行なってみましょう!
瞑想アプリなどを使うのもいいと思います。
僕のオススメは…
ランニング、ウォーキング、呼吸のエクササイズなどを瞑想と兼ねる
というやり方です。
ランニングやウォーキングであれば、
自分の体がキャッチする感覚に
意識を向けます。
何でも構いませんが、僕の場合は
・接地時の足裏の感覚
・腹圧
・呼吸
こういったものに意識を向けます。
呼吸のトレーニングは
仰向けに寝て腹式呼吸を行うものですが、
その時に
横隔膜や肋骨の動き
に意識を向けます。
どちらもやっていることは、
「今ここ」に意識を向けることです。
今風にいえば
「マインドフルネス」ですね。
瞑想と聞けば、昔は
「胡散臭い…」「怪しい…」
といったイメージが強かったですが、
10年くらい前から
Googleに代表されるシリコンバレーの企業群が
「マインドフルネス瞑想」を
人材育成の研修に取り入れ始め、
その動向が日本でも知られるようになりました。
さらに
瞑想の効果が、
医学的・科学的研究によって
証明されてきています。
今は昔のような
マイナスなイメージは
もう払拭されているようです。
方法は何でも構いません。
とにかく
「瞑想状態を作る」
これができれば、
脳が休まることが分かっています。
決して
「瞑想すれば睡眠時間が少なくてもいい」
と言っているわけではありませんが、
睡眠時間を30分、1時間…
今より増やすことが難しければ、
1日10分でいいので
瞑想する時間を作ってみてはいかがでしょうか。
毎日フル回転で
必死に現代社会に適応している脳を
しっかりと労ってあげてくださいね。
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