こんにちは、久家です。
あなたは普段
どんな目的で体のケアを行いますか?
「長年の肩こりが辛いので楽になりたい」
「今の腰痛がひどいので
とりあえず今日楽になればいい」
「調子が悪くなってきたから
これ以上悪くならないように」
「今週末ゴルフがあるから
体を整えておきたい」
などなど
それぞれあると思いますが、
ほとんどの方の目的は
短期的、長期的の違いはあれ
「良い状態を作りたい」
というものです。
それ以外に何があるの?
と思われるかもしれませんが、
体のケアを行う際に
ぜひ持っておいてほしい視点があります。
それは
「体の状態を知る」
ということです。
自分では気づかない不調が
必ずある
定期的に
当院に通ってくださっている
患者さんの話です。
ここ数ヶ月
ずっと調子が良かったのですが、
先日ご来院された際、
太ももの前の張りを訴えていました。
話を伺うと
普段やらない仕事で
4、5時間しゃがんで
作業をしていたとのこと。
「太ももの前以外に
気になる所はありませんか?」
と聞くと、
「それ以外は特にないです」と。
それから
検査して施術に入ると、
太ももの裏の筋肉をマッサージした時に…
「痛っ!」
と声をあげて、
「もも裏は何ともなかったのに…
硬くなっているんですか?」
とびっくりした様子。
実際
かなり硬くなっている部分がありました。
その後も施術をしていくと
太もも裏以外にも
・右の背中
・左の内転筋
・両ふくらはぎの外側
に普段はない強い張りがありました。
これだけいつもと違うのに
本人が施術前に訴えていたのは…
「太ももの前」だけ。
こういったことは
よくある話で
定期的に通っている方にでも
起こることです。
定期的にケアをしていれば
このような
見落としている不調に
早く気づけるのですが、
症状が出ないとケアをしない人は
自分で見落としている不調を
放置してしまうことになるので
疲れが抜けにくかったり、
症状が悪化したり、
長年続く慢性症状を抱えたり
するわけです。
だから当院では
不調や痛みを感じなくても
定期的にご来院いただき
体の状態をお伝えするようにしています。
自分の体の状態を
細かく感じ取れる方も
中にはいらっしゃいますが、
それは極めて稀なケースで、
ほとんどの方は
症状がひどくなったりしないと
自覚できません。
僕が繰り返し
「不調を感じてからでは遅いですよ」
と皆さんに言うのは
こういったことも理由の1つです。
だからこそ、
「体の状態を知る」ために
体のケアを行なってほしいのです。
良い状態を知ろう!
以前の記事でも書いたことですが…
体をケアしてあげると
体が異常を教えてくれます。
しかし
体をケアしてあげないと
体は異常を教えてはくれません。
体が異常を教えてくれなければ、
どんどん異常なものが溜まっていって
パフォーマンスが
慢性的に低くなってしまいます。
そしてある時、
大きな病気になったり…
大きな怪我をしたり…
大きな故障をしたり…
するわけです。
・整体
・マッサージ
・ストレッチ
・筋膜リリース
・ヨガ
・エクササイズ
何でも構いません。
「体の状態を知る」ために
ぜひ行なってみてください。
必ず思っても見なかった
体の状態に気づくはずです。
僕自身は
筋膜リリースをする時は
必ず全身行なっています。
それは、
体の状態を良くするだけでなく、
今の体の状態を知りたいからです。
日々のランニングも
体の状態を感じ取る目的で
走る日を作っています。
そうやって
自分の体の状態が分かってくると
「良い状態」がどういう状態なのかが
感覚的に分かってきます。
「良い状態」が分かるから
「悪い状態」が分かるようになるんです。
「良い状態」がわからなければ、
何が「悪い状態」なのかが分かりません。
肩がガチガチに固まっているのに
全く肩こりを感じない人って
結構います。
あれは、
良い状態(肩こりがない状態)が分からないから、悪い状態(ひどい肩こり)が分からないんです。
ガチガチの状態がいつも通りなんです。
だから、
我慢できないくらい痛くなったり、
生活に支障が出るくらいの頭痛が出たり、
それによる吐き気をもよおしたり
そういった
大きな不調が出ないと
「悪い状態」に気付けないのです。
体の不調に早く気づくために
必要不可欠なことは…
「良い状態」を知ること。
今特に痛い所がなくても…
今体の不調を感じていなくても…
自分では良い状態だと思っていても…
「体の状態を知る」ために
体のケアを行なってみてください。
まずは現在地を知ること!
いかがでしたか?
体の状態を知ることの重要性は
分かって頂けたでしょうか。
今回の話は
どんなことにも応用可能な内容なので
最後に一般化して
お伝えしたいと思います。
僕はどんなことを行う時も
次の3つのことを
知ることから始めます。
①現在地
②目的地
③道筋
体のケアをする場合でも
この3つを知ることが
とても重要なことです。
今、自分がどこにいて、
そこはどういう状況なのか。
それを理解するのが①です。
そして、
自分はどこに向かって行けばいいのか。
それを理解するのが②です。
今いる場所から目的の場所に行く道は、
どのようになっているのか?
どのような罠があり、
どうやって回避すればいいのか。
どこで休憩して、
どこで走らなければ行けないのか。
そういったことを理解するのが③です。
多くの人は、①(現在地)と②(目的地)をすっ飛ばして③(道筋)ばかりを知りたがります。
具体的にどうしたらいいのか、
新たな知識だったり…
ノウハウだったり…
メソッドだったり…
そういうの大好きですよね。
ネット上に溢れかえる情報は
そういったものばかりです。
そこばかり気にするから、
何が何だかわからなくなって…
何をやっても結果が出ない
そもそも何を選んでいいのか分からない
ということになってしまうのです。
現在地を明確にするから
目的地が設定でき、
そこに向かう道筋が見えてくるわけです。
現在地が明確でなければ…
目的地も、そこまでの道筋も
真っ暗だということです。
このように①→②→③の順番で考えることがとても重要なのですが、
③しか考えない場合が非常に多いです。
例えば、肩こり。
ただ「肩こりを治したい」というだけで、
③の方法ばかりを求める人が非常に多い。
それでは、
現在地も目的地もはっきりしないまま
ただ闇雲に
肩を楽にしようとしているだけです。
だから
自分に必要な改善方法が何かがわからず
肩のマッサージを受けて…
肩に電気を当てて…
流行りの肩甲骨剥がしに飛びついて…
失敗するわけです。
これで結果が出るはずがありません。
まずは、
なぜ肩が凝っているのか。
これまでの治療法でなぜ改善しなかったのか。
仕事中の姿勢はどうなのか。
睡眠はしっかり取れているのか
どういう運動をしてきたのか。
日常でどんなストレスが掛かっているのか
体が歪んでいるのか
などなど
しっかりと自分の現在地を
明確にすることが大切です。
そして、次に
毎日を元気に過ごしたい
仕事に集中できるようになりたい
家族と笑顔で接したい
老後の体の不安をなくしたい
姿勢を良くしたい
など
目的地(肩こりを改善してどうなりたいのか)
を明確にします。
この2つが決まって初めて、
何をするのかが決まるのです。
1番大事なのは①の現在地を知ること
次に大事なのは②の目的地を知ること
そして最後に③の道筋を知ることです
なので
どうやって肩こりを改善するのかは
優先順位としては一番最後、
まずやるべきことは、現在地(今の体の状態)を知ることです。
そのために
体をケアして
ご自身の体に目を向ける時間を
作ってみてはいかがでしょうか。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
久家
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