こんにちは、久家です。
健康な体を作るための栄養戦略
1. 腸内環境の適正化
2. 脂質摂取の最適化
3. 抗酸化と解毒
前回までで
この基本戦略を一通りお伝えしました。
ぜひ繰り返し読んで
ご自身の生活の中で
実践して頂けたらと思います。
これまでお伝えしたきたことが
どんな人にも当てはまる
基本的な食の戦略になるわけですが、
人生100年時代の健康を考えた時
この戦略と共に重要になってくるのが
糖質の捉え方
です。
糖質制限と聞くと
ダイエット法のイメージが強いですが、
本当の意味を理解していただくと
自分のライフスタイルに合わせた食生活ができるようになります
そのために
今回はまず
人間が持つ2つのエネルギーシステム
の話から始めていきましょう!
人間が持つ2つの
エネルギーシステム
人間がエネルギーを産むシステムは
解糖系
ミトコンドリア系
の2種類があります。
この2つのエネルギーシステムを理解すると、自分のライフスタイルに合った食の戦略が立てやすくなります。
2つのエネルギーシステムは
簡単に言うと…
解糖系:
瞬発的に大きな力を出せるが、長く続かない
ミトコンドリア系:
長くゆっくり力を出せるが、瞬発力はない
といった感じです。
ウエイトトレーニングや
短距離走のような
瞬発的に力を出す運動を
無酸素運動って言いますよね。
あれは
「息をしていない」という意味で
無酸素って言っているわけではなく、
「エネルギーを取り出すのに酸素を必要としない」
という意味です。
こういった運動の際に
使われるエネルギーシステムが
解糖系です。
解糖系は
その名の通り
ブドウ糖をエネルギー源にして
酸素を使わずにエネルギーを生み出します。
一方
ウォーキング
ジョギング
エアロビクス
など
瞬発的な大きな力を必要とせず
長く力を出し続ける運動を
有酸素運動と言います。
この有酸素運動の際に
使われるエネルギーシステムが
ミトコンドリア系
です。
ミトコンドリア系は
あらゆるものをエネルギー源にでき、
酸素を利用してエネルギーを生み出します。
解糖系
ミトコンドリア系
この2つを使って
人間はエネルギーを生み出し
生活しているのです。
ここをしっかり理解して
自分がどちらの系を優勢にするかを選択し
食を考えていくことが重要です。
仕事、スポーツ、趣味…
自分のライフスタイルを考えて
どちらのエネルギーシステムがあっているのか
ぜひ考えてみてください。
1つ例を出すと…
マラソンのような持久系の運動は
解糖系ではなくミトコンドリア系で
エネルギーを生んでいます。
だから
持久系の運動能力を高めたい
という人は、
ミトコンドリアの
数を増やし、活性化させて…
ミトコンドリア系のエネルギー効率を上げていく
ということが何よりも大事になります。
このことを踏まえた上で
「じゃあ、どんな栄養戦略を立てようか?」
となっていくわけです。
同様に考えると
筋トレで体を大きくしたい人はどうでしょうか?
1日デスクワークで座りっぱなしの人は?
ぜひ考えてみてください。
このような視点を持った上で…
「糖質制限」について考えてみましょう。
糖質制限は
ダイエット法ではない!
糖質制限を
世間で言われているような
単なるダイエットと捉えると
ただのブームで終わってしまいます。
人間がエネルギーを産むシステムは
【解糖系】と【ミトコンドリア系】
の2種類があることを
お伝えしましたが、
糖質制限というのは…
「解糖系ではなく、ミトコンドリア系を中心として生きていく」というライフスタイルの選択
を意味していると僕は思っています。
どちらでも人間は生きていけます。
若いうちは両方元気なので、
どっちもフルに使えばいいんです。
解糖系を思いっきり優位にして、
ガンガン働いて…
思う存分スポーツをやって…
といった感じでいいと思います。
だけど年をとってくると…
そういったことが
自然とできなくなってきますよね。
年をとってくると(酸化が進んでくると)、
瞬発的に大きな力を出す解糖系だと
しんどくなってくるんです。
解糖系を捨てる必要はありませんが、
両者のバランスを
考えていかないといけません。
解糖系は細胞分裂をする時の
とても重要なエネルギー源になっています。
例えば、
ガン細胞は
ミトコンドリアがほとんどないので
エネルギー源は解糖系だけです。
だからガン細胞は
ブドウ糖をガンガン摂るんです。
そして
低酸素の環境を好みます。
このことを踏まえると…
年をとっても
糖質メインの食事を摂って
解糖系に依存していたらどうでしょうか?
ガン細胞にとって好ましい環境になってしまう
とも考えられます。
「解糖系依存の体質から脱却できないこと」
僕はこれが
年をとってガンが増える理由の
1つじゃないかと思っています。
また
運動やスポーツによっても
両者のバランスは変わってきます。
ウエイトトレーニングで
体を大きくするのであれば…
筋肉を大きくするというのは
細胞分裂ですから、
解糖系を優位にする必要があります。
一方、
マラソンをする人であれば
持久的にエネルギーを出せる
ミトコンドリア系を優位にする方が
パフォーマンスは上がります。
このように
ライフスタイルによって
両者のバランスを
考える必要があるわけですが、
よっぽど特殊な目的がないかぎり
年をとっていくにつれて
体を大きくしたり、
瞬発的に大きな力を出す必要は
なくなっていきますよね。
そして両者は
エネルギー源が違います。
解糖系は
文字通り「糖質」です。
ミトコンドリア系は
ほぼ全てをエネルギー源にできます。
酸素、糖質、タンパク質、脂質…
なんでもエネルギーにできる。
解糖系の何倍もエネルギー効率がいいわけです。
以上のようなことを踏まえると、
これからの
人生100年時代の健康を考えた場合、
年齢とともに少しずつ、ミトコンドリア系にシフトしていくのが良い
と僕は思います。
糖質依存から脱却する!
昔からテレビの健康番組とかで
「健康長寿のおじいちゃん、おばあちゃんはしっかり肉を食べている」
というのを見たことありませんか?
そういう番組では
「健康長寿には肉を食べるのがいい」
という感じのことを伝えていますが、
肉がいいというよりも
糖質依存のバランスの問題だと思います。
糖質を摂っていないわけでもなく
肉ばかり食べているわけでもありません。
健康長寿のおじいちゃん、おばあちゃんは
糖質依存の食生活ではないのです。
解糖系ではなく、
ミトコンドリア系になれば
細胞分裂は止まっていくので
当然体は痩せていきます。
糖質制限をすると痩せるのは
これも一つの理由なんです。
ミトコンドリア系で
エネルギーを生んでいると
体は大きくなりません。
大きくなれないといった方が
いいかもしれません。
筋肉もつかないけど、
脂肪もつかないんです。
「効率の良い体になっていく」
ということです。
これが糖質制限の本来の意味だと思います。
いかがでしたか?
世間では
糖質制限といえば
ダイエット法のイメージが強いです。
極端に糖質を減らして
とにかく痩せさせようとする…
確かに体重は減ると思いますが、
どうみても
「無理やり栄養失調にさせて痩せさせている」
ようにしか見えません。。
あれでは…
健康になることはないでしょう。
糖質制限とは…
糖質依存の生活から脱却して
ミトコンドリアが生み出すエネルギーで
生きていきます!
という宣言だと僕は思います。
今回お伝えしたような文脈で
捉えることができたら…
糖質制限は
単なるダイエットではなく、
食文化としてすごく意味のあるものに
なるのではないでしょうか。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
久家
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