こんにちは、久家です。
苦しみを選択しない生き方について、
前回は、ブッダの考え方を参考に
反応する前に、理解する
そうして、
苦しみを作りだしている無駄な反応を消していく。
ということをお伝えしました。
しかし現実問題、
自分の周りに起こることに対して
反応しない
ということは非常に難しいですよね?
誰もがブッダのように
できるわけではありません。
そこで今回は、
無駄な反応をしないための方法について
現実的なことを踏まえながら
お伝えしていきたいと思います。
大半のことは“判断”しなくていい
無駄な反応をしないために
知っておかなければいけない
大前提があります。
それは、
この世の中の大半のことは判断しなくていい
ということです。
これは僕もそうですし、
多くの人が陥ってしまうことなんですが、
ネット上で目にする多くの情報や
普段関わっている人に対して
私たちは判断を下しすぎてしまうんです。
この情報は嘘か本当か
あの人が言うことは正しいか間違っているか
自分は成功している、失敗している
などなど…
何でもかんでも判断しようとしてしまいます。
ではなぜ人は
こんなにもあれこれと
判断したがるのでしょうか?
何に対しても
正義か悪かを判断することは
一瞬気持ちいいものです。
わかったふりもできて…
結論が出て…
どこかに着地できた気持ちになると、
なぜか
安心感を感じてしまう
のが人間です。
SNSやネットの書き込みなどを見てみると、
ある人が
「〇〇は正義だ」
「△△は悪だ」
といった判断を書き込めば、
それが何の根拠のない暴論だったとしても
書き込んだ人と同じように
判断して安心したい人たちが
「そうだそうだ」と賛同している
そんな状況はそこらじゅうにあります。
この場合、
書き込んだ人は
なにかしらの結論に着地できた安心感
それに加えて
誰かに賛同してもらえたことで
承認欲求
が満たされているんです。
そんな短期的な気持ち良さを求めて
自分とは全然関係ないことでも
テキトーに判断を下しがちになります。
ただこのテキトーな判断は
麻薬です。
短期的な気持ちよさと引き換えに
大きなリスクを抱えてしまいます。
まず今の時代、情報量が膨大。
その膨大な情報に対して
何でもかんでも判断を下そうとすると
いくら時間があったところで足りません。
自分の貴重な時間が
どんどん奪われてしまいます。
私たちが触れる
大半の情報や人間…
何が正義か何が悪かなんてわかりません。
正義も悪も、
嘘も本当も、
グレーなことばかり…
テレビの情報で言えば
政治家が失言してようが…
芸能人が不倫してようが…
私たちはその良し悪しを
無理やり判断する必要はないんです。
特に芸能人の
ゴシップネタなんて、
正直どうでもいい。
このような
判断しなくていいことがほとんどです。
わざわざ私たちが裁かなくていいんです。
ネット上には
よくわからない立場で
誰かを裁く謎の裁判官
みたいな人が溢れています。
そんなのは必要ないんです。
この無駄な判断こそが、無駄な反応を生んで、まわりまわって心に根深い悩み・苦しみを生んでしまいます。
だからと言って、
私たちの目の前に現れる情報に対して
判断を下さず無関心で過ごしましょう
ということではありません。
そんなことは現実的に無理ですし
人間、生きていれば
仕事でも
プライベートでも
判断を下さないといけない場面は
必ず出てきます。
判断の基準は「役に立つかどうか」
判断する基準で、
僕が大事にしているのは
役に立つかどうか
です。
役に立つというのは、
仕事であれ…
家庭であれ…
どんな環境でも…
大切な判断基準となります。
例えば仕事なら、
・利益が上がる
・業務が円滑に進む
・働きやすい環境につながる
・お客様が喜ぶ
といったことにつながる判断が
正しいと思います。
ここで大事なのは
役に立つかという視点です。
では、私たちが日常で
自分、他人、仕事、人生に対して行なっている
正しい、間違っている
良い、悪い
という判断は、
役に立つものでしょうか?
頭の中だけで繰り広げている判断は、
それだけなら
ただの妄想に過ぎません。
現実に役に立っていないので、
判断する必要のないことです。
考えて行動に移して、
役に立ってはじめて
その判断が正しかったかどうかが分かります。
役に立っていれば、
それは正しい判断。
役に立っていなければ、
そのことを認めて、
役に立つことを再度考えて
行動に移していくのが
正しい判断と言えるでしょう。
よく
行動が大事だ
とか
PDCAを回す
とか言いますが、
僕は
役に立つかどうか
を基準にして、判断して
行動するようにしています。
そして行動しないものに関しては
「それ以上考えない」と判断します。
それについて考える時間を
他のことに使う方が、
役に立つ可能性があるからです。
役に立つかどうか
ぜひこれを判断基準にして、
行動につなげてみてください!
「自分は正しい」から離れよう!
人を苦しめる判断には
「自分は正しい」
「偉い」
「優れている」
など肯定しすぎる思いや、
それとは逆に
「自信がない」
「どうせ失敗するに決まってる」
「自分はダメな人間だ」
など自分を否定しすぎる思い
があります。
こうした心理は
“慢”
と表現され、
自分の価値にこだわる心
と言えます。
人は誰でも
自分の考えは正しい
と心のどこかで思っています。
しかしその判断は
正しいのでしょうか?
間違っているのでしょうか?
「自分が正しい」と言う判断は
もちろん自分自身にとっては正しく見えますが、
そう判断してしまった時点で
間違ったものになってしまいます。
こんな話があります。
******************
ある都市の王が、
宮殿に生まれつき盲目の人たちを集めて、
象を触らせました
ひとりには、象の鼻を
ひとりには、象の足を
ひとりには、象の象のしっぽをと、
象の一部だけを触らせて、
「では象とはどんなものか言ってみよ」
と命じたのです。
するとひとりは、
「犂(すき)の長柄のようなものです。」
と答え、ひとりは
「石柱のようなものです」
と答え、ひとりは
「箒(ほうき)のようなものです」
と答えました。
他の部分を触った人たちも、めいめいに
「象とはこんなものだ」
と主張して、
「お前は間違っている!」
と、殴り合いのケンカを始めました。
その光景を見て、
王は大笑いしました。
******************
この話、
1つの本質を語っているように思いませんか?
それは
人間とは、
一部しか見ていないにも関わらず、
全てを理解した気になって
「自分は正しい」と思い込んでいる
ということです。
人と人とが関われば、
必ず意見の違いが出てくるものです。
「どう考えても自分の方が正しい」
と思うこともありますよね。
しかし…
「どう考えても」というのは
自分の頭で考えたことであるので
当たり前ですが、
「どう考えても」自分の考えしか出てきません。
自分で考えれば、
自分の考えだけが出てくるのです。
そして
人それぞれ、
立場も…
経験も…
脳も…
違うので、
「どう考えても自分の方が正しい」
ということにはならないのです。
どのような判断も個人の頭に浮かんでいるだけでは、妄想に過ぎません。
にも関わらず、
「自分は正しい」と執着してしまったら…
“漫”が生まれ、
無駄な判断をして
その結果、苦しみを選択することになります。
「自分は正しい」という考えから離れてみましょう!
人は人、自分は自分
ここまでで
無駄な反応をしないためには、
「無駄な判断をしないこと」
が重要だとお伝えしてきました。
判断は
心の癖のようなものです。
世の中、特にネットの世界には
比べること、
評価すること、
あれこれ詮索すること
が大好きな人が大勢います。
噂話なんて
無駄な判断のオンパレードです。
ここで
「みんなやってるから、自分も…」
と考えると、あなたも
判断大好き人間になってしまいますよ。
この無駄で余計な判断こそが苦しみを生んでいる
ということを理解しましたよね。
もし真剣に
苦しみを選択しない生き方をしよう
と思うなら、
他人があれこれと判断するかもしれませんが、
自分は判断を手放そう
と肚を決めましょう!
ではどうやるのか?
それは
「人は人、自分は自分」と明確な境界線を引く
世間には
こういう人もいるかもしれないが、
私はこうしよう
と、他人と自分との間にきっちりと線を引くことです。
世の中には
判断好きな人が溢れています。
しかし、
だからといって
あなたも同じことをする必要はないんです。
大衆は常に間違うもの!?
そうはいっても世の中には、
同調圧力、群衆心理的なものがあるので
周りに流されてしまう
という人もいると思います。
そういう方のために、
僕が普段から意識している
マインドセットの1つをお伝えします。
それは、
大衆は常に間違うものだと自覚して生きる
自分も大衆なんだと思っておくことが前提です。
自分は大衆とは違って特別な存在なんだ
と思うことではありませんので。
自分の考えが、
多くの人の意見と同じだった時…
自分がこれからやろうとしている事に
周りの多くの人たちが賛成していたら…
その時は、
危機感を持ちましょう。
よく言いますよね。
反対されたものほどうまくいく。
周りに聞いて、
賛成されたものは…
大抵うまくいかない
ほとんどの人が
理解できないものが
次の時代には必要だったりします。
有名な話ですが
馬車の時代の車みたいな…
より早い馬車はいらないんです。
車がいるんです。
でも馬車の時代に
それは誰も賛成しないんです。
「大衆は常に間違うものだ」というのはこういうことです。
パニック映画をイメージしてみてください。
事件が起こって、
パニックになって、
大衆がワーって行った方って…
大抵間違いで
主人公が行った方が
正解になるようにできていますよね。
あれは人間の心理を表しているんです。
だから映画はウケるんです。
みんな映画を観ていたら
わかっているはずなんですよ。
「そっちに行ったらみんな死ぬよ」って
でも現実で同じような
土壇場の状況になったら、
みんなそっちに行ってしまうんです。
前にもどこかで書きましたが、
日本人は特に
右にならえしすぎる傾向があります。
だから僕は
特にこのマインドセットを
普段から意識するようにしています。
こういった事を念頭に置いておくと
「人は人、自分は自分」と
考えられるのではないでしょうか。
ご参考までに。
いかがでしたか?
今回は、
無駄な反応をしないための方法
をお伝えしました。
大前提として
大半のことは判断しなくていい
と理解した上で、
・「役に立つかどうか」で判断する。
・「自分は正しい」から離れる
・「人は人、自分は自分」
と明確な境界線を引く
という3つの方法をご紹介しました。
僕も日頃から意識して実践していますが、
どうしても無駄な判断をしてしまうことも出てきます。
でもそれはそれでしょうがないです…
だって
人間だもの(笑)
でも無駄な判断が少し減るだけでも
悩み、苦しむことが減っているのは
はっきりと実感しています。
今回お伝えしたことが、
皆さんそれぞれが幸せになるために
少しでもお役に立てれば幸いです。
次回は
日常の中で
誰もが悩み苦しんでしまう
「感情」
について考えていきたいと思います。
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