ストレス社会の健康づくり~心身の不調は睡眠と運動で予防する~

こんにちは、久家です。

当院の問診票には
「あなたにとって健康や幸福を妨げる人生の悩みトップ3は何ですか?」
と言う質問があるのですが、
ほぼ全員が書く答えがあります。

それは…

「ストレス」

ストレスが体に影響することは
誰もが知っていることですが、
実際に体の中で
どんなことが起こっているのか、
知っていますか?

当院には、
「病院で診てもらったけど、「異常なし」と言われた」
と体の不調を訴えて
ご来院される方が結構いらっしゃいます。

そのほとんどの人が
「ストレスが原因でしょう」
と言われています。

間違ってはいないと思いますが、
検査で異常がないからと言って
「ストレス」という
何とも曖昧な言葉で結論づけるのは
いかがなものかと個人的には思います。

ストレスに関しては
ぜひ皆さんに詳しく知ってほしいのですが
詳細に書くと膨大な量になりますので、
今回は健康を考える上で
知っておいてほしい点に絞って
「ストレス」
についてお伝えします。

ストレスが健康に与える影響

祖先が受けてきたストレス

現代人にとってのストレスといえば…
・人間関係
・仕事
・多忙な毎日

と言ったようなことがですが、
これらは人類の歴史的に見ると、
脳にストレスをかけてきたものではありません。
 
電気、自動車、インターネット、スマホ…
このようなものが
当たり前になった現代社会の生活は
人類の歴史のほんの一瞬にすぎず、
人間は地球上に現れてから、
99.9%の時間を
狩猟と採集をして暮らしてきているのです。

このことを踏まえると、
脳にストレスをかけてきたものは、
ライオンに遭遇した時のような
緊急性の高い脅威に遭遇した時、
つまり
「闘争か逃走か」の判断をする時なのです。

ストレスを感じた時、
心拍数が上がるのを経験したことがある方は
多いと思います。

なぜストレスを感じると
心拍数が上がるのでしょうか?

それはライオンに遭遇したら
素早く反応して、
攻撃に出るか
走って逃げるか
しなければならないからです。

「闘争か逃走か」

どちらにしても
筋肉に大量の血液が必要となるので
心拍数が上がるのです。

ライオンに遭遇した時と、
仕事が忙しくてストレスを感じる時、
全く次元の違うことですが、
体の中ではどちらも
「闘争か逃走か」の反応が起こっているのです。

当時の危険は、
今より頻度が高いだけでなく、
瞬時の反応を迫られるようなものがほとんど。

ライオンに対して
攻撃すべきか、逃げるべきか、
そこでじっと立ち尽くして悩んでいては、
命はありません。

我々人間の祖先は、
人類700万年の歴史のうち699万年は
こういったストレスを受けてきたのです。


現代人が受けているストレス

現代ではこのような
命に関わるレベルの心配は
ほとんどなくなりました。

しかし、
昔にはなかった
心理的、社会的なストレスがあります。

こういったストレスを受けても
脳内ではライオンに遭遇した時と
同じことが起こっているのです。

・仕事の締め切り
・職場の人間関係
・子育ての悩み
・高額な住宅ローン
・「いいね」がつかない

といったようなことで。

現代の私たちのストレスは、
ライオンに出くわした時ほど
集中力は求められませんが、
長時間持続することがほとんどです。

数ヶ月…長ければ年単位で
続くこともあります。

しかし、
私たちのストレスシステムは
そういった類のストレスのために
進化してきていません。

長期間ストレスを受け続けて
ストレスホルモンの量が増えていると
脳は正常に機能しなくなります。

脳からすれば、こういうことです。

「睡眠、後回しにしよう」
「消化、後回しにしよう」

要は
「寝ている場合ではない!」
「消化している場合ではない!」
「今は戦う時なんだ!」
と脳が判断して、
即座に解決すべき問題以外は後回しにするのです。

それはそうですよね。
脳からしたらストレスは生命の危機なわけですから。

ある程度の期間、
ストレスを受け続けたことのある人なら
経験があるのではないでしょうか。

お腹が悪くなったり…
吐き気がしたり…
不眠に苦しんだり…

こういう症状の人たちは
現代には多過ぎるくらいいるはずです。

「即座に解決すべき問題以外は後回しにする」

この脳の仕組みを考えれば、
何もおかしなことはありません。

現代社会のストレスの恐ろしさ

ストレスを受けると人間の体は…

・知覚と感覚が鋭くなります。

・筋肉へ流れる血液が増加して筋肉が緊張してすぐに行動できるよう備えます。

・ホルモンが放出され、血液の粘りが増して怪我をしても出血を抑えられる状態に。

・消化活動が休止され、「消化活動をしている場合じゃない、今は戦う時なんだ」
 と体が反応して血液が胃腸から腕や足へ流れていきます。

ストレスがかかり続けて
常に「闘争か逃走か」という
局面に立たされていると…

それに備えることを最優先にして、
「闘争と逃走」以外のことは
全て放棄してしまうのです。

こんな状態が長く続けば当然
体が悲鳴をあげますよね。

毎日ずっとライオンを目の前にしているようなものですから。

『地球上に存在した時間の99%、動物にとってストレスとは、恐怖の3分間のことだった。その3分が過ぎれば、自分が死んでいるか敵が死んでいるかだ。で、我々人間はというと?それと同じストレスを30年ローンで組むのだ。』

スタンフォード大学の
進化生物学教授の言葉ですが、
これくらい現代社会のストレスって
怖いものなのです。

ストレス社会を健康に生きるために必要な事

脳のオーバーワークで不健康に

ここまでお伝えしてきたように、

私たちの祖先が受けていた
生命危機のストレス

現代社会で私たちが受ける
心理的、社会的なストレス

どちらのストレスを受けても
体の中では「闘争か逃走か」の反応が起こっています。

現代社会は人間の脳に
相当なオーバーワークを課します。

僕が子供の頃はもちろん
パソコンやスマホは普及しておらず
インターネットなどは無縁の生活でした。

現在46歳ですが
ネット社会に適応していくのはかなり大変です。。

得意不得意はあると思いますが
50代、60代、70代…と年代が上の方たちは
さらに大変だと思います。

僕ら人間は
この数十年の進化に適応するのでさえ
相当なエネルギーを使うわけです。

昔の武将や偉人、
もっとさかのぼって
遥か昔の狩猟採集民族が
現代にタイムスリップしたら…

そんな映画や漫画がありますが、
もし現実に起こったら
それこそ生きていくのは、
今僕らが感じている大変さとは次元が違うと思います。

しかし実際に、
この次元の違う大変さを
現代で感じているものがあるんです。

それが人間の脳です。

地球上に現れてから
99.9%の時間を
狩猟と採集をして暮らしてきている人間…

私たちの脳は、
今でも当時の生活様式に
最適化されているのです。

【脳は1万年変化していない】
と言われていて、
生物学的に見れば、
私たちの脳はまだサバンナで暮らしているんです。

そんな脳が
急速に発展する現代社会に
適応しようとすれば…

相当なオーバーワークになることは
容易に想像がつきますよね。

なので
現代社会を健康に生きていくためには、
まずはしっかりと脳を休めてあげること
これが大事なことです。


睡眠が1番のストレスケア

では
脳を休めて良い状態にするには
どうしたらいいのか?

まずは「睡眠」です。

脳は他の臓器と違って
常時老廃物をデトックスできません。

デトックスできるのは寝ている時だけ。

寝ている時に脳は少し縮んで、
その時にできる空間を使って
老廃物を流します。

目覚めると
脳は元の大きさに戻るので
この空間を使って
老廃物を流せなくなります。

睡眠不足が慢性化している人は、
老廃物が蓄積して
アルツハイマーになるとも言われています。

脳もデトックスが必要なのです。

そして
寝ている間は何も考えないので
脳は休憩できます。

なので
「しっかり睡眠を取りましょう!」ということなのですが…

「脳を休める」と考えた時には、
ただ寝るだけでは不十分なんです。

睡眠でも休むことにはなるんですが、
それだけでは足りない。。

例えば、
タイマーを5分にセットして
その間目を閉じて
ただ一つのことを考え続けてみてください。

そして
タイマーがなった時、
「何を考えているか」を確認してください。

まずほとんどの人が、
始めた時とは違うことを考えているはずです。

心理学の一説では、
人は1日に「7万個」もの想念を
思い浮かべると言われています。

約1.2秒に1個です。

それくらい目まぐるしく
脳は働き続けているので、
脳を休ませようと思ったら
積極的に休ませる必要がある…

現在分かっている範囲では
脳が一番効率よく休む状態は「瞑想状態」です。

この状態を1日10分作るといいと言われています。

運動で瞑想状態に

「瞑想」に関しては
検索すればたくさん出てきます。

自分に合ったものを選んで
行なってみましょう!

瞑想アプリなどを使うのもいいと思います。

ちなみに僕は…
ランニング、トレーニング、呼吸のエクササイズなどと瞑想を兼ねて行なっています。

どういうことかと言うと…

例えば
ランニングであれば、
自分の体がキャッチする感覚に
意識を向けます。

何でも構いませんが、
僕の場合は
・接地時の足裏の感覚
・腹圧
・呼吸
こういったものに意識を向けます。

呼吸のトレーニングであれば、
僕がやっているのは
仰向けに寝て行うものですが、
その時に横隔膜や肋骨の動きに意識を向けます。

どちらもやっていることは、
「今ここ」に意識を向けることです。

今風にいえば「マインドフルネス」ですね。

運動って強制的に
「今ここ」に意識が向くため
瞑想状態に入りやすいので
個人的にはオススメです。

運動でなくても方法は何でも構いません。

とにかく
「瞑想状態を作る」
これができれば、
脳が休まることが分かっています。

毎日フル回転で
必死に現代社会に適応している脳を、
睡眠と瞑想で
しっかり休ませてあげましょう!

運動が心も体も健康にしてくれる

心が疲れている時は運動しよう!

現代のストレス社会を
健康に生きていくためには、
日々オーバーワークを強いられている
脳をしっかりと休めてあげること、
そして
脳を休める方法は睡眠と瞑想
とお伝えしてきました。

瞑想状態を作るのに、
運動をオススメしましたが、
運動することは
メンタルのケアにもつながります。

元気が出ない…
やる気が出ない…
体は元気なんだけど心が疲れている…

そんな体と心のバランスが良くない時って、
誰にでもありますよね?

そんな時、
僕はめちゃくちゃ運動するようにしています。

肉体的なものは落ちてないけど、
気分が落ちている…

そんな時に僕が意識しているのは

「落ち方を揃える」

どういうことかと言うと…
体が元気で心が疲れているんだったら
「体を心と同じだけ疲れさせましょう!」
ということです。

例えば、
鬱病に対しての以下の3つの治療
・薬だけ
・薬と運動を併用する
・運動だけ
どれが一番効果的かというと…

「運動だけ」なんです。

何となく薬と併用した方が治りそうですが、
薬を使わないで
体をしっかり動かした方が効果的なのです。

これはもうだいぶん前から
科学的にわかっていることです。

人類700万年の歴史を考えると、
心だけが疲れている状態っていうのは
ここ最近にしか経験したことがない状態です。
なので、
人間の体には
心だけを回復する機能は備わっていない
とも考えられます。

心を回復させるには
体と一緒に回復させるしかない
ということなのかもしれませんね。


ストレスフルな時は運動で体を疲れさせる

心と体の状態にギャップがあると、
人間の体はそのギャップに対して
うまく処理できない…

だから
このバランスを揃えればいいんです。

ここでほとんどの人が
良い方に揃えようとして、
ダメージを受けている心だけを
回復させようとします。

そうではなくて
悪い方に揃えるんです。

肉体を酷使する…

極端にいえば
体をボロボロにする。

そしたらもうヘトヘトに疲れて
食べて寝るくらいしかできませんよね。

こうやって体も疲れさせると
体の回復と一緒に心も回復する

そんなイメージです。


僕も定期的に、
何かウジウジ悩んだり…
どうやってもやる気が出てこなかったり…
そんな状態に陥ることがあります。

そんな時は、
・いつもよりも長い距離を走る
・全速力で走る
・トレーニングで追い込む
など、
とことん運動して体を疲れさせます。
そして
しっかり食べて…お風呂に入って…寝る!

そしたら
朝起きた時は体も心も回復しています。

体が元気な状態で
何かウジウジ悩んでいるのが
一番ダメだと思います。

心が元気がないことを、トータルとして元気がないと錯覚しないこと

これがとても大事です。
心は元気がなくても体は元気だから。

体的には楽すぎて、
心だけが疲れている現代人…

もしあなたが何かにストレスを感じて
心が疲れているのであれば、
あえて体を疲れさせてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?

今回は「ストレス」というものを
健康という視点から深掘りし、
ストレス社会における
健康づくりについてお伝えしました。

まとめると、

・我々の祖先が受けてきたストレスと現代人が受けているストレスは、見た目は全く違うものだが、体のなかで起こっていることは同じ。

・「野生のライオンを目の前にした時」に体内で起こるストレス反応が、日常生活の中で24時間365日起こっているのが現代人。

・「1万年変化していない」人間の脳は、現代のストレス社会に適応するために、相当なオーバーワークを強いられており、これからの社会の中で健康に生きていくためには、脳を休めてあげることが重要。

・脳を休める一番の方法は「睡眠」。しかし睡眠だけでは足らないので、「瞑想」を取り入れると良い。

・心が疲れている時は、体を疲れさせる。そうすることで体の回復と一緒に心も回復する。


これからの社会を生きていくうえで、
「ストレス」は絶対になくならないものです。
そしてその影響は
ますます大きくなっていくでしょう。

そんな時代を幸せに生きていくためにも、
ストレスと正しく向き合って、
心も体も健康な状態を作っていきましょう!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

久家

福岡市西区の姿勢矯正専門整体院ベストフォームについて

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このコラムを書いた人

福岡市西区の整体ベストフォーム 代表久家陽介

経歴

  • 出身地:福岡市西区
  • 出身校:修猷館高校ー九州大学ー九州大学大学院
  • 大学卒業後、企業に就職。その後転職しメディカルトレーナーの資格を取得。大阪、兵庫、福岡で10年間整骨院に勤務。
  • 2014年Best Formを開院。パーソナルトレーニングの指導、野球チーム(中学、高校、大学)の専属トレーナーとしての活動経験もあり、症状の改善だけでなく、健康づくり、アスリートの故障予防やパフォーマンスアップにも精通している。

メッセージ

人生100年時代を健康に生きていくためには、自分で情報を取捨選択して、「自分の健康を自分で作る」能力が必要不可欠になります。だからこそ整体で症状を改善するだけでなく、患者さんたちが自分の健康を自分で作れるようにサポートをする、これが僕ら整体師が担う重要な役目だと考えます。
当院のコンセプトは「健幸づくり」。患者様一人一人に、健康を当たり前にして幸せな人生を送って頂きたい、そんな想いを込めて仕事をさせて頂いています。
ご来院中の患者様、そしてこれから出会う方々とのご縁に感謝して、一人でも多くの方を「健幸」に導くために邁進して参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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