筋膜リリースvsストレッチ 体が柔らかくなるのはどっち?

こんにちは、久家です。
 
初めてご来院された方に「家で何か体のケアをしていますか?」と聞くと、1番多いのがストレッチです。当院ではセルフケアとして筋膜リリースをお伝えすることが多いので、皆さんによく聞かれるのが、

「筋膜リリースをやるとどうなるの?」

「ストレッチじゃダメなの?」

という質問です。

そこで今回はこれらの質問に答える形で、体の動きを良くするために僕が筋膜リリースを取り入れている理由をお伝えします。

それでは始めて参りましょう!

筋肉を緩めるのは筋膜リリース

なぜ筋膜リリースをやるのか?
一言で言うと…

「抑制」

です。
 
ここでいう「抑制」とは、過剰に働いている神経や筋肉などを落ち着かせること。簡単に言えば、固くなった筋肉を緩めるといった感じです。
 
例えばパソコンをずっとやってたり、本をずっと読んだりすると、体がきつくなって合間で「伸び」をすると思います。この「伸び」ってどこを伸ばしているのでしょう?
 
背中、肩、腕…

患者さんたちに聞くと、だいたいこういった答えが返ってきますが、実際に伸ばしているのはお腹です。
 
この伸びって何をしたいのかというと…

過剰に緊張している腹筋群を落ち着かせたいのです。
 
猫背って背中が丸まっている状態ですが、前側から見れば腹筋が縮まっている状態です。猫背の姿勢でずっといたら
背中は伸びすぎている…だから背中はむしろ縮めたいんです。逆にお腹は縮みすぎているので伸ばしたいんです。これが多くの人が無意識にやっている抑制です。
 
神経や筋肉が過緊張になっていると、適切な体の動きが行えません。人は緊張したら実力が出せないように、筋肉も緊張していたら力を出せないんです。

だから、要らない緊張は抑制させる必要があるわけです。

筋膜の癒着をとるコツは…
「痛みに耐える!」

基本的に筋肉は緊張すると収縮するので、だいたいの場合は伸ばしたくなります。だから自然と伸びをするわけです。
 
伸ばすといえばストレッチをイメージする人が多いのではないでしょうか。
 
「伸び」のような自然な形でストレッチするのは全然いいですが、床に座って開脚して後ろから押してもらう、みたいな無理やり伸ばすような不自然なストレッチは、全く意味がないのでやらない方がいいです。
 
筋肉の緊張を抑制する方法は色々ありますが、セルフケアで最も効果を体感しやすく僕がオススメしているのが「筋膜リリース」です。
 
前回までの投稿記事でも繰り返しお伝えしていますが、大事なのは

「とにかく圧をかけろ」

ということです。
 
フォームローラーという円筒状のものを使ってやるので、どうしても転がしたくなるのですが動かす必要は全くありません。
 
転がしながらグリグリと圧をかけるのではなく、転がしながら痛い所を探して見つかったら、動かさずにジーッと圧を加え続けるのみ。そして「痛気持ち良い範囲でゆっくりやりましょう」とかよく書いてありますが、それでは全然ダメ!
悶絶するぐらいの痛みを我慢してやりましょう!
 
僕も最初は叫びながらやっていました。筋膜リリースって最初はそれぐらい痛いものです。そしてどこをやっても死ぬほど痛かった…

でも筋膜がリリースされてくれば、全く痛みはなくなります。最初叫びながらやっていた僕が、今ではどこをやっても全然痛くはありません。ほとんどの人は最初はメチャクチャ痛いと思います。でもしっかりと続ければ痛くなくなります。
 
歯を食いしばって頑張る。とにかく圧をかけ続けるんです。痛みに耐えながら冷や汗をかきながらやるんです。最初はめちゃくちゃ息が切れますが…それくらいの覚悟を持って筋膜リリースをやって頂けたらと思います(苦笑)

じゃないと、あなたの筋膜の癒着はどんどんひどくなっていきますよ。

体を柔らかくする=ストレッチ
ではない!?

筋膜の癒着が取れたら次にやるのは…

可動域を増やすこと
 
筋膜リリースによって筋膜がちゃんとリリースされて、適切に動かせる状態になったところで実際に動く状態にする段階です。
 
可動域を増やすというのは決してストレッチのような「筋肉を引き伸ばす」ということではありません。
 
筋肉を伸ばす必要は一切なく、関節が動けばいいわけです。動いているのは関節であって、筋肉そのものではありません。可動域が必要なのは関節なんです。
 
筋肉が硬くて関節が動かないケースは、筋膜リリースで全部解決します。ストレッチはやらなくて大丈夫です。
 
筋膜リリースでどこも痛くなくなったら、動かせるだけの筋肉の柔軟性は戻っているので、それで問題はありません。
 
よく筋肉の柔軟性を出す=ストレッチのような解釈がされますが…

筋肉が「柔軟である」ことと、引き伸ばされてびろんびろんになっていることは全くの別物です。
 
ストレッチによって引き伸ばされた筋肉はボリュームがなくなります。一方、柔軟な筋肉はボリュームがあります。筋膜リリースをすると筋肉のボリュームが出るべきところは出ます。
 
例えばストレッチをしすぎて、ふくらはぎが引き伸ばされている人が筋膜リリースをしたら…それだけでふくらはぎが大きくなります。これは筋肉が増えたのではなくて適切な長さに戻っただけです。
 
筋肉はこの適切な長さがあるから適切に動くんです。適切じゃない長さになっている時に適切には動けません。これは当たり前のことです。
 
では可動域を確保するためにはどうしたらいいのか?

ストレッチみたいな「動き」をする必要があって、その際に重要なことが2つあります。

ストレッチで可動域は広がらない

1つは
「関節を動かす」
という意識を持つことです。
これを意識するだけでかなり変わります。
 
もう1つが
「本来の動きの中で動かす」
ということ。
 
どういうことかと言うと、その関節が本来動くべき動きをする中で関節の可動域を確保していく、ということです。
 
本来する必要のない動きで筋肉を引き伸ばすのは一番ダメです。そんな動きする場面がないんだから、そんなものを体に教え込む必要はありません。
 
そうじゃなくて、本来動く形っていうものがあるわけです。肘であれば「曲げ伸ばしの動き」あの動きの中でどうやったら関節の可動域がちゃんと確保できるだろうって考えてメニューを考えないといけないわけです。
 
関節の可動域を確保する運動としてオススメなのが「ラジオ体操」です。
 
ちゃんとやればラジオ体操ってとてもいい動きです。すごく考えられているなって思います。ただ、僕らが学校の体育でやっていたようにテキトーにやってもほとんど意味がありませんよ。正しい動きを理解した上で正しく丁寧にやるのであれば、とても効果のあるものだと思います。
 
関節の可動域はラジオ体操のように、動きの中で拡大させるべきです。お風呂上がりに床に座って足を広げてじわーっと伸ばすようなストレッチでは筋肉しか伸びません。
 
このようなストレッチでは、関節可動域を拡大させることはできないでしょう。
 
関節を適切に動かせると、それに伴って筋肉は必要なだけ伸びます。関節を動かしている時「うわぁ〜めっちゃ伸びてる」とは感じませんが、ある程度筋肉は伸びています。
 
この範囲でいいんです。この範囲で筋肉は伸びるようにできているんだから。

動きを考えず、ただ筋肉を伸ばそうとしてしまうとこの範囲を超えて筋肉が伸びてしまいます。これは筋肉が想定している伸びではありません。
 
関節の可動域の範囲内だったら、筋肉は伸びるようにできている。この範囲内で伸ばすべきでそれを越えた負荷をかけるべきではないのです。
 
このことに注意して「関節を動かす」ことを意識してみてください。
 

いかがでしたか?
 
昔はストレッチは運動の前の準備体操として推奨されていましたが、今は準備体操で行うと、「ケガや故障につながる」
ということが分かっていてストレッチは推奨されていません。
 
神経を休める効果はあるので、運動後のクールダウンや寝る前などに行うのはとても効果的です。意味を考えてやらないと逆効果になってしまうので注意しましょう!
 
体の動きを良くするためには…

ストレッチをするのではなく、

筋膜リリースで「筋肉の緊張をとる」

ラジオ体操などのような動きで「関節を動かす」
 
ぜひこの順番で行なってみてくださいね。


今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

久家

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このコラムを書いた人

福岡市西区の整体ベストフォーム 代表久家陽介

経歴

  • 出身地:福岡市西区
  • 出身校:修猷館高校ー九州大学ー九州大学大学院
  • 大学卒業後、企業に就職。その後転職しメディカルトレーナーの資格を取得。大阪、兵庫、福岡で10年間整骨院に勤務。
  • 2014年Best Formを開院。パーソナルトレーニングの指導、野球チーム(中学、高校、大学)の専属トレーナーとしての活動経験もあり、症状の改善だけでなく、健康づくり、アスリートの故障予防やパフォーマンスアップにも精通している。

メッセージ

人生100年時代を健康に生きていくためには、自分で情報を取捨選択して、「自分の健康を自分で作る」能力が必要不可欠になります。だからこそ整体で症状を改善するだけでなく、患者さんたちが自分の健康を自分で作れるようにサポートをする、これが僕ら整体師が担う重要な役目だと考えます。
当院のコンセプトは「健幸づくり」。患者様一人一人に、健康を当たり前にして幸せな人生を送って頂きたい、そんな想いを込めて仕事をさせて頂いています。
ご来院中の患者様、そしてこれから出会う方々とのご縁に感謝して、一人でも多くの方を「健幸」に導くために邁進して参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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